診療報酬債権担保ローンとは

医療機関や調剤薬局、介護事業者などが資金調達をするときに、診療報酬担保ローンが利用できることをご存知でしょうか。

診療報酬担保ローンは柔軟な審査で資金調達が可能であり、非常に利便性の高いサービスです。

ここでは、診療報酬担保ローンの特徴やご利用の流れについて紹介します。

診療報酬担保ローンとは

診療報酬担保ローンは、保険医療機関の診療報酬債権や調剤薬局の調剤報酬債権、介護事業者の介護給付費債権などを譲渡することで、資金調達ができる仕組みの金融商品です。

調達した資金は融資を受けた方の裁量で自由に使用できます。

• 施設の老朽化にともなう改装
• 施設の移転や新築
• 高度医療機器の導入

上記のような理由でまとまった資金が必要となったとき、診療報酬担保ローンは非常に役立ちます。

診療報酬担保ローンの特徴

診療報酬担保ローンには、ほかの金融商品とは異なる特徴が3つ存在しています。ここでは、それぞれについて詳しく解説します。

1.柔軟な審査を行ってくれる

診療報酬担保ローンの大きな特徴は、ほかの資金調達手段と比べて審査が柔軟なところです。

通常、金融機関で融資を受ける場合、中長期経営計画書や資金繰り表などを用意し、担当者と交渉などを行ったうえで審査をしてもらう必要があります。このときの審査は非常に厳正に行われるため、場合によっては審査に通らなかったり希望する融資額が叶わなかったりすることがあります。 一方で、診療報酬担保ローンの審査の場合は、中長期計画書などといった複雑な書類の作成は不要な場合が多く、比較的柔軟な審査を行ってくれます。商品によっては数千円～数億円単位の資金が可能で、比較的柔軟な審査を行ってくれます。

そのため、銀行などで審査に通らなかった方も、希望通りの融資が実現する可能性があるのです。さらに、先述したとおり調達した資金は自由に利用可能です。運転資金や納税資金など、制限なくお使いいただけます。

2.不動産などの担保が不要

診療報酬担保ローンは診療報酬を担保にするため、原則不動産などの担保は不要です。したがって、金融機関で借り入れが必要になるときのために借入枠を温存することが可能となります。

数カ月分の報酬を担保にすれば、相当な額の資金調達も可能です。

不動産の担保不要で希望額の融資が叶えられる点は、ほかの金融商品との大きな違いでしょう。

3.返済が簡単

返済の手間がかからない点も、診療報酬担保ローンの特徴です。

診療報酬担保ローンを活用して資金融資を受ける際は、社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会に「債権譲渡通知」を出すことになります。この通知を受けた各機関は、診療報酬担保ローン提供会社に直接報酬を支払うため、利用者が自分で融資額を返済する手間は不要です。

資金調達後のキャッシュフローがシンプルになるため、支払いを忘れて延滞金を請求されてしまうトラブルを防げます。

診療報酬担保ローンの注意点

メリットが豊富な診療報酬担保ローンですが、実は利用時の注意点もあることを念頭に置いておきましょう。

診療報酬担保ローンは、将来診療報酬改定などによって収益が減少したとき、返済負担が重くなってしまう危険性があります。返済額が運営資金を圧迫してしまうことも考えられるため、無理のない資金調達をすることが大切です。

診療報酬担保ローンのご利用方法

 

最後に、診療報酬担保ローンのご利用方法について紹介します。

各提供会社によって必要書類やご利用の流れは若干異なることがあるため、申し込み時はしっかりと確認しておいてください

1. 問い合わせ
   応募フォームもしくは電話で問い合わせをする
2. 審査
   必要書類を提出し、代表者との面談を行って審査を進める
3. 契約
   契約を取り交わし、債権譲渡を行う
4. 債権譲渡手続き
   社保・国保等に対して債権譲渡通知を提出する
5. 融資実行
   手続きが完了次第、すぐに融資が受けられます

 

また、必要となる書類は以下のとおりです。

• ご身分確認書類
• 病院開設許可証
• 各種免許
• 保険医療機関指定通知書
• 納税証明書
• 印鑑証明書
• 報酬支払決定通知書
• 確定申告書
• 決算書

 

そのほか、契約する会社や経営施設によって、追加で書類が必要となることもあります。

問い合わせの段階で、必要となる書類や手続についてしっかりと確認しておきましょう。

 

 

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