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薬局経営における資金調達方法

2020.12.14

  • 薬局
  • 資金調達

調剤薬局とクリニックは良いパートナー

これから薬局経営を検討されている方は、調剤薬局業界の現状について知っておくことが必要です。クリニックが新規に開業する場合は、近くに調剤薬局があるか、半径50m以内に開業してもらえることが成功の条件になります。大きな総合病院や個人の開業クリニックでも、常に40人から60人の外来患者があれば、近くに調剤薬局を開業することで家賃や人件費を賄える程度の薬局経営を安定させることができます。

ただ、これから新規開業するクリニックの場合、地域の患者さんが定着するまで経営が大変です。そのため、すでに開業している調剤薬局の近くにクリニックを開業する場合もあります。調剤薬局側としても新規クリニックの処方箋枚数が増えるので、収益力が高まり、より薬局経営が安定します。いずれにしても医療機関と調剤薬局は良いパートナーであることが重要です。日本の産業分類によれば、医療機関は医療業、調剤薬局は小売業という区分がありますが、調剤薬局も医療サービス業なので医療機関と患者さんの情報を共有する存在として役割をはたすことが重要です。

2年に1度、社会保険診療報酬の改訂が行われるなど、調剤薬局業界の現状は厳しいものがあります。しかし、会社経営の組織として一定の利益を追求する調剤薬局が、患者さんの立場になり、日本の超高齢化社会の中で医療サービスを担う役割や期待は、ますます大きくなって行きます。薬局経営を検討するなら、開業のための融資プランなど、具体的なノウハウを持つ金融機関などのコンサルタントに相談してみてはいかがでしょう。

薬局経営の資金調達方法

調剤薬局の成長段階に応じて資金調達の方法は変わります。開業時の資金調達は、他の業種の起業と条件はあまり変わりません。起業したばかりの頃は金融機関やリース会社、医薬品卸会社などの信用はほとんどない状態です。金融機関や公的機関からの借り入れの他、有価証券や不動産を担保にした資金調達方法などが考えられます。

その他に薬局経営者が利用できる借り入れ以外の資金調達方法があります。保険診療報酬債権の担保力に基づく融資プランです。保険診療報酬債権とは、医療機関や薬局などが審査支払機関の社会保険診療報酬支払基金、国民健康保険団体連合会に対して請求する診療報酬、調剤報酬などのことです。請求してから実際に医療機関に保険請求金が支払われるまで約2ヶ月かかるため、実際に収入として手にするまでにかなりタイムラグが生じます。ただ、ほぼ確実に支払われるため、安全性の高い優良債権として評価されています。

薬局経営者はこの保険診療報酬を担保にして資金調達を行う融資プランを利用することができます。事業資金の使途に制限はありませんし、診療報酬等の請求日から短期間で現金化できるというメリットがあります。人件費や仕入れ代など急な経営資金の不足に対応することが可能です。また、借り入れではない方法で資金調達をすることで、借り入れの負債を抱えず、幅広い融資先から資金調達することが可能になります。この他、リースや割賦制度も有効ですが、金融機関によってリース料率や割賦手数料率がかなり異なるので、なるべく利率の低い金融機関サービスを選択することです。

ビジネスローンを検討する

銀行などの金融機関や商工会などの公的機関で事業資金の相談をすると、実際に資金を調達するのに時間がかかり、急な仕入れ費用に対応できなかったり、小口資金を調達できなかったり、不便に感じることが少なくありません。このような急ぎの資金調達に便利なのがビジネスローンです。ビジネスローンとは中小企業や個人事業主のための無担保ローンで、事業者ローンとも呼ばれます。

ビジネスローンのメリットは、他の融資方法と比較して申し込みから融資までのスピードが速いことで、多くの場合、事業計画書や返済計画書の提出が不要になっています。ただ、銀行が提供しているビジネスローンでは提出を求められる場合もあります。また、多くの場合、担保や保証人が原則不要で、利用限度額は数百万円から薬局経営者向けに数千万円という融資プランもあります。事業資金を融資するローンなので、起業資金、運転資金、設備資金、従業員の賃金など事業に関する資金であれば、自由に使うことができます。

それから個人向けの消費者金融とは異なり、貸金業法による総量規制がありません。そのため、現在借入額が年収の3分の1以上ある場合でも、ビジネスローンなら利用が可能です。同じビジネスローンでも医療機関や薬局経営者、介護事業者などに融資実績が豊富なところが安心できます。診療報酬を担保にした融資プランや、不動産を担保にした融資プランなどの他に、事業資金からプライベート資金まで幅広く使える無担保・保証人無のプランまで幅広く金融サービスを選べるところもあります。薬局経営を安定させるため、事業資金の調達先は利便性が高く、信頼できるビジネスローンを検討するのも選択肢です。

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