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ファクタリングについて

ファクタリングとは

昨今「ファクタリング」を利用している事業者様を多く見かけます。

ファクタリングとは、業者によって【債権買取、早期入金サービス】等、表示は様々ですが、売掛金が現金化されるまでに時間がかかる事業者様に対し、事業者の売掛金を買取り、手数料を頂くサービスです。

つまり、手数料を頂く代わりに売掛金を買取り、早期資金化が出来るサービスとなっています。ファクタリングは使い方によっては便利な資金調達手段となり得ますが、ここでご注意頂きたいのが、一度ファクタリングを始めてしまうと、ファクタリングから抜け出せなくなる可能性が高い!!ということです。

それはどういう事なのか、また「ファクタリング」とはどういう性格を有しているのか、「融資」との違いなどを含めて解説していきます。

 

(※このページでは診療報酬を売掛金とする場合を中心に取り扱っていきます。)

ファクタリングの仕組み

ファクタリングを始める場合の前提としてお客様の持っている売掛債権をファクタリング業者に債権譲渡することが条件となります。一般的にファクタリングは発生している売掛金に対し、70~90%の掛目(前払率)を掛けて買い取ります。掛目はそれぞれの業者によって異なり、同じ業者でも審査状況によって変わる可能性があります。手数料は前払率を掛けた後の金額に対して掛かります。実際にファクタリング業者に100%相当額の入金があった後、前払分を控除し、残りの10~30%相当額を返却するという流れになります。

 

上記はあくまでも基本的な例ですが、それぞれのファクタリング業者毎の契約内容によって異なります。

 

昨今ファクタリング業者はとても増えており、「新たな資金調達手段」と謳っている場合が多いですが、現在の法規制では、ファクタリングを規制する法律はなく、民法の所謂、契約自由の原則から手数料を自由に設定することが可能となっています。事務手数料や保証料等の別途手数料が設定される場合もあります。買取手数料が安くても別の費用が高い場合や、いざ解約を考えたときにも、解約の条件に違約金の項目が入っていることもあります。つまり契約の中身をよく確認し、納得できる契約かを吟味することが大切です。

 

融資利息とファクタリング手数料の違い

融資利息とファクタリング手数料の計算方法を紹介します。

 


 

「融資の場合」…利息は元金に融資利率を掛け合わせる為、返済が進んでいけば元金が減るため段々と支払利息も減っていきます。

 

利息=残元金×約定利率÷365(閏年366)×日数



 

「ファクタリングの場合」…買取基準額に手数料(%)を掛け合わせます。したがって返済が進めば元金が減り、利息負担も減っていく融資とは違い、買取を継続する限り、買取額(売掛金)に比例して手数料が掛かります。(買取額が多い月は手数料も高くなり、少ない月は低くなります。)

 

ファクタリング手数料=月の報酬額×前払い率(掛目)×手数料(%) となります。 (前払い率は80%で設定している業者が多いです。)

 

※月の報酬額×前払い率=買取基準額となります。

 

融資とファクタリングの支払モデル

ここでは月の報酬額が100万円の医療機関が100万円の資金調達を考えた場合の事例をご紹介します。

 

※あくまで考え方になりますので実際とは異なる場合もございますのでご注意下さい。

 


 

「融資の場合」…弊社メディカルにて100万円をご融資し、利率13.50%、返済期間を1年と仮定した場合。

 

1年間の支払利息は約74,000円となります。尚、追加融資等をしなければ、1年後には計画的に完済し、終わることが可能です。(具体的には弊社サイト内返済シミュレーションをご利用下さい。)

 


 

「ファクタリングの場合」…100万円の買取を依頼し、月手数料を0.5%と仮定した場合。

 

買取基準額は100万×80%=80万円、ここに月手数料が掛かるので80万×0.5%=4,000円となり、1年間では4,000×12ヶ月で48,000円の費用がかかります。

 

 

ファクタリングの方が1年間の支払額は少ないですが、ファクタリングの解消が出来ない限りまた翌年も同じ費用がかかっていきます。上記の例でいうと、融資の場合は合計74,000円の負担で済みますが、ファクタリングを続けた場合には2年目も同じように48,000円の手数料を支払う必要があります。つまり、ファクタリングを2年利用した場合の手数料は96,000円となり、融資を選択した場合よりも負担が大きくなります。

 

また、仮に月手数料を1%と仮定するとその時点で支払手数料は1ヶ月で8,000円、年間だと96,000円になります。

 

※尚、弊社メディカルを利用した場合も、ファクタリングを利用した場合も報酬債権の譲渡が必要です。

ファクタリングのスケジュール

まず、従来の報酬入金サイクルを見てみましょう。

 

①当月 お客様へサービスを行います。

②翌月 ①のサービスに対する請求を各売掛先に行います。

③翌々月 ②で請求した報酬が入金されてきます。 

 

これを見ると実際にサービスをしてから、入金までに2ヶ月もの期間があります。しかし、入金を待っている間にも、事業を継続するためには人件費や材料代、その他費用の支払をしなくてはなりません。そう考えると入金されるまでの期間の長さは非常にネックとなります。

 

そこで、ファクタリングを利用した場合を見てみましょう。

 

①当月 従来通り、お客様へサービスを行います。

②翌月 ①のサービスに対する請求を各売掛先に行います。同時に請求書(レセプト)をファクタリング業者へ提出します。ファクタリング業者は請求額を確認し、請求金額の一部を買取り、手数料を引いた額が数日で入金されます。(前払い)

③翌々月 ②で請求した報酬が債権譲渡により、ファクタリング業者へ全額入金されます。そのうちファクタリング業者が買取った分を除いた金額が、入金されてきます。(後払い)

 

手数料などの金額については次の章で詳しく解説します。

ファクタリングの支払額について

前章の例と照らし合わせて、買取手数料や実際に入金されてくるのはいくらなのか、説明していきます。

 

(例)報酬請求額100万円、前払い率80%、月手数料1%でファクタリングを利用した場合

 

①前払いに関して

 

【買取基準額】100万×80%=80万 

【買取り手数料】80万×1%=8,000円 

【前払いとして入金される金額】80万-8,000円=792,000円となります。

 

※前払い入金の際に振込手数料が引かれる場合が多いです。

 

②後払いに関して 

 

【後払いとして入金される額】100万-80万=20万 となります。

ファクタリング利用時の最低限確認ポイント

ここまでの内容を踏まえて、利用する場合の注意点をまとめましたので、是非参考にして下さい。

 

■推奨する契約の際の確認事項

① 毎月の買取手数料はどのくらいか

② 毎月の買取手数料の他に掛かる手数料や費用の有無

③ ②の手数料が毎月掛かるものか、初回だけ掛かるものか

④ 解約の条件(解約違約金の有無や解約できない期間の確認)

 

※買取手数料の他にも手数料が掛かるからダメという訳ではなく、その金額が納得できるものかどうかという点が重要です。

 

利用している方の中には、「すぐに資金調達をしたかった」「知り合いに薦められた」などで、契約内容や仕組みをよく把握しないまま利用している方が多くいらっしゃいます。事業資金を調達する上で、それは非常に危険なことです。少なくとも、利用する前にはファクタリング業者に上記の項目を確認すると良いでしょう。

ファクタリングのメリット・デメリット

ここではファクタリングを利用した場合のメリット・デメリットを述べていきます。

 


 

◇メリット

 

①資金化のスピードが速くなる

 

従来の売掛金の入金サイクルと比べて、速く現金化できるため、資金繰りの1つの手段としてはとても有用だと思われます。

 

 

②決算書の見た目が良くなる

 

売掛金は資産勘定ですが、現金化するまでは売掛先の倒産リスクなどを含んでいる為、金額のかなり多い場合、銀行等から回収不能なものが含まれているのではないかとかえって印象悪くしてしまう虞があります。それを現預金に変えることで、間違いなく資産として見られることが出来ます。

また、借入をして資金調達をすると、負債の勘定科目に短期または長期借入金として載せる必要がありますので、借入金額や借入先にもよりますが、借入金額が少ない方が決算書の見た目は良くなります。

 


 

◇デメリット

 

①調達できる金額に限界がある

 

ファクタリングは現に発生している売掛債権の金額以内での買取りに限られるため、設備投資や店舗開設など、大きい金額の資金調達には向いていないでしょう。ファクタリングは運転資金不足などの一時的な調達を希望している人向けだと言えます。

 

 

②資金不足のサイクルに陥る可能性がある

 

便利に見えるファクタリングですが、所謂「給料の前借り」のような性質があるため、一度利用してしまうと次の月も不足により買取、次の月も…という負のサイクルに陥る方がいらっしゃいます。

 

 

③手数料の高く設定している業者が多い

 

貸金業者からの借入ですと、利息制限法によって利率の上限の制約があります。しかし、ファクタリングは貸金業という名目ではないため、法律に縛られず、借入の利率にあたる「手数料」については業者ごとに自由に設定ができます。もちろん、あまりにも手数料の高い業者を利用する方はほとんどいないと思いますが、借入の利率に比べると高く設定している業者が多いことも事実です。   

      

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